残飯さんの細かいお話

前回の続きになります。

LV2ダイノーズに残飯を持たせるメリットを大雑把に紹介しました。
今回はその他 細かい注意点等をいくつか載せておきたいと思います。

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ステータスの調整

LV1頑丈という戦法の都合上、大事なのはHとSだけ。
今回はH・S共に低い方が望ましいため、以下のようになります。

H 14(個体値0~29) - S 5(下降補正かつ個体値0~19)

痛み分けを使用する都合、HPは出来るだけ低い事が望ましい。
LV2ダイノーズのHPは14もしくは15。
双方のHPを「(相手の残りHP+自分の残りHP)/2→切り捨て」とする技ですから
相手の残りHPが奇数の場合に若干威力(?)が変わってきます。


またSについてですが、対ココドラのケースを考えるとこれもまた低い方が良いでしょう。
LV1ココドラのSは4~6ですが、ミラーを想定せずにSを甘えている個体は非常に多い。

お互いにロクな展開にならない嫌なケースですが
ボルトチェンジを採用すれば、相手の頑丈を潰しつつ後続を無償降臨…ワンチャンス。


ボルトチェンジを採用する主な理由はコレになるのかな…?
挑発・みがわり読みボルトチェンジ→後続でアンコールといった曲芸も出来ますが、
挑発はマジックコートした方が良いですし、みがわり読みなら普通の交代でOK。
しかし、技スペースを圧迫するのであまり積極的に採用したいとは思えないですね…。

その他、細かい点としては ダウンロード対策(B

得手不得手

LV2ダイノーズが苦手とする相手は多く、扱いには細心の注意を必要とします。
連続技・身代わり持ちと対面した時は負けパターンに突入。
また、宿り木の種に対しても無力
鬼火・催眠技・追加効果火傷(ひるみ)などで出落ちになることも考えられます。

が、逆に言うとこれらを覚えられない(または採用していない)ポケモンに対しては
圧倒的優位な状況を生み出す事が出来るでしょう。


総じて、極端に得手不得手が激しいポケモンであり
「誰に対して強気に出るべきか」「誰がいたら丁寧に扱わなければならないのか」
をしっかりと把握しておくことが大切です。


――それでは、得意とする相手から…。 

  • 拘りアタッカーを代表とするフルアタ型
  • カバルドンを代表とする場を整える事を優先するサポート型

等が主なカモになります。


特にフルアタ型は 痛み分け連発だけで突破可能。
相手としては交代したいところですが、
がむしゃらと違いゴーストタイプにもダメージが入るので安定して受けることは不可能。容易に有利が取れます。


サポート型といっても数多くの型がありますが、
ここでは あくび・ステルスロック撒きや置き土産・壁張り 等を役割としているポケモンを指します。

挑発による機能停止を防ぐために攻撃技を1つは採用しているかもしれませんが、
基本的にはこちらに有利な読み合いになることが多いでしょう。
ただし、突破後に身代わり剣舞ガブリアス等を出されると起点にされてしまうので注意。

相手方の積みエース(ウルガモスバシャーモガブリアス等)の種類によって プレイングを変えるなどの工夫は必要です。



――次は不得手とする相手。
LV2残飯ダイノーズの苦手なポケモンは7体…。

まずはキノガッサ
最もメジャーで強力である「身代わり/キノコの胞子/攻撃技2種」の型を想定しています。

対面した時点でかなり厳しい展開が予想されるため、ダイノーズの選出は控えるべきです。
ただし 催眠に対してパーティ全体の耐性が高い場合はこの限りではありません。


次にパルシェン
一般的な殻破り型、スカーフ・鉢巻型等 すべての型に連続技が採用されています。
ダイノーズは対抗手段を全く持っていません。

万が一対面してしまった場合、
襷を残されたまま殻を破られるのが最悪のパターン。痛み分けでつっぱるのが最良の選択でしょう。


エアームドランクルスは再生技持ちであり、なおかつ毒が効きません。

一見PP戦で互角のように思われますが、
エアームドにはステルスロックを撒いたり呪いを積まれた後に吹き飛ばされますし、
ランクルスからは火炎玉トリックをされる危険性があります。


まもみが無限型で有名なトドゼルガグライオン

向こうからも有効打はありませんが、キノガッサ同様に身代わりから起点にされます。
結果的に零度やハサミギロチンの施行回数を稼がれ、ジリ貧。


最後にブルンゲル
再生技持ちとはいえ、毒が通ることから一見五分のように見えますが
挑発 身代わり 鬼火 熱湯(追加効果火傷) 等、
ダイノーズを牽制する技を豊富に覚え、十分に選出がためらわれます。



――「無理」な6匹入りのパーティに対して選出することも 不可能というわけではありません
相手は1匹だけに対策をすべて負担させている可能性もありますから、
そのポケモンさえ突破出来れば、ダイノーズは自由に動けるでしょう。

が、「そのポケモンを突破する・または選出されていないことを確認する」までは
こちらは2匹のポケモンだけで戦わなければなりません。
1つのミスで負けが確定するような戦いはかなり厳しいです…。


…その他、身代わりや連続技を採用しているポケモンに対しては手も足も出ません。
ただし 上記に挙げたポケモン以外は互角に戦える型も多く
相手の型を見極めることで、存分に力を発揮出来ます。

型の見極めというのは LV2残飯ダイノーズを採用する上で最も重要なことであり、
これが出来るかどうかで強さが全く変わってきます。
可能ならば、選出画面の時点である程度技構成等を絞れるようにしたいものですね。

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パーティにおけるダイノーズ

ダイノーズを採用・選出・運用するにあたっての諸々。
まずはダイノーズ役割について考えたいと思います。


前回 私は
「LV1頑丈の悪質さは 為す術もなく自分のポケモンが傷つく様を見せつける部分にある」
と述べました。

これだけを見るとダイノーズは2タテ・3タテを狙っていくポケモンのように思われますが
実際のところ、それらを為し遂げるのは極めて困難です。


現在シングル環境で採用されているのは見せあい6→3ルールであり、
LV1頑丈の存在を考慮した選出をされるのが当然の流れです。
甘えた構築が相手の場合を除き、選出された3体の中には確実に対策が仕込まれているでしょう

残飯の採用により、霰やステルスロックには格段に強くなっているので
甘えたパーティには3タテを狙っていけるかもしれませんが…。

元々 痛み分けを使う都合、最後の一押しには苦労します。単体で動けるわけではないのです。



…それでは一体このポケモンの役割とは何なのか?

それは
「相手のポケモン3匹をある程度削り 後続の速攻アタッカーの全抜き体制をつくる事」
これに尽きます。


LV2残飯ダイノーズの強みの1つは「何度でも後出しが効く」ところ。
後攻とんぼや補助技読み繰り出しからの痛み分けで 相手のパーティをガッツリ削るのが仕事です。

1度当てるだけでどんな相手でもHPを約半分に出来るというのは非常に魅力的であり、
後続にスカーフガブリアス鉢巻カイリューを残す事が出来れば
終盤からの全抜きという強烈な勝ち筋を作り出せます。

守る+天候ダメージ等によるダイノーズ単体での全抜きはあくまでオマケ
上手く使って相手を削ることに専念しましょう。



…次に、ダイノーズを採用したパーティ構築について

前述の通り、このポケモンは「無理」な相手が非常に多いです。
また、相性補完などに優れているわけでもなく パーティの穴埋めなどには適していません。
必然的にダイノーズの組み方になります。

先ほど挙げた6体の対策は必須。それらを考慮した上で、
更にシナジーの強いポケモンを多く採用出来れば グッと扱いやすいパーティになるはず。


相性の良いポケモンとしては、

等が挙げられるでしょうか。

穴のないパーティを作り出すのは極めて困難ですが、可能な限り完成度の高い構築に。



…最後に、ダイノーズの選出・運用にあたっての注意点。

先ほど「ダイノーズ軸でパーティを組む」と述べましたが、
ダイノーズを必ず選出しなければいけない、という訳ではありません。

LV1頑丈の強みは「相手の選出を縛れる」部分にもあるのですから、
相手のパーティによって柔軟に選出を変えましょう。


最も注意を要するのは
ダイノーズは先発で選出すべきでないということ。

偶発的にしろ 「無理」な相手と対面した場合、非常に厳しい状況を強いられ パーティ全体に負担が重くのしかかります。
出来るだけ後発からの登場で相手を選べるような選出を…。

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ここまで長くなりましたが、
LV2残飯ダイノーズについてはかなり詳しく書け…書けたと考えます。

かなり尖った性能であることから あらゆるパーティに組み込めるような汎用性はありませんが、
いくつかの難点を補い余りあるほどの強みを持ったポケモンです。 構築の参考になればこれ幸い…。

追記:そういえば オノノクスで詰むなぁ…